欠損部位の治療方法 〜 入れ歯(義歯)、ブリッジ、インプラントはどれが一番持つの?
投稿日:2022年3月26日
カテゴリ:院長ブログ
こんにちは、巣鴨S歯科矯正歯科です。
本日は、歯がない部位(欠損部位)の治療方法についての投稿です。
むし歯や歯周病が進行して歯を抜かなければならなくなったとき、
抜いた後の治療方法を考えなければなりませんね。
あるいは、
先天欠如といって永久歯が足りない場合なども、
乳歯が寿命で抜けてしまったら
欠損となるため、治療方法を考えなければなりません。
考えるにあたり、どの治療方法がどれくらいもつのか、皆さんはご存知ですか?
そして、すでに治療を経験されたことがある方は、しっかりと説明されたことがありますか?
本日は、欠損を補う治療方法と、それぞれがどれくらいもつのかについて述べたいと思います。
欠損を補う治療方法(補綴治療(ほてつちりょう))の種類と生存率について
生存率とは・・・治療後、一定の期間が過ぎた後も補綴物が口腔内に残っている割合
のことを差します。
※成功率とは異なります。成功率はまた別の機会に。。。。
入れ歯(義歯)
欠損部分に取り外し式の歯を入れて使用するタイプです。
残った歯にバネをかけて使用するものが一般的です。
最近は審美性に優れた目立たないバネを使用したノンメタルクラスプ義歯などを
取り扱う歯科医院も増えてきています。
入れ歯・義歯
5年生存率は
保険治療→約40%
自費治療→約60%
となっています。(Koyama,2010 ; Kapur,1989)
ブリッジ(複数歯にまたがったかぶせ物)
欠損部位の両隣の歯を支えにしてかぶせ物を橋渡しして治療する方法です。
入れ歯(義歯)とは異なり、
セメントで固定するため取り外しをご自身で行わなくてよいので利便性が高いことが特徴です。
支えの役割をする歯に負担が大きくかかってしまうこと、健康な歯を削る侵襲性がデメリットです。
10年生存率は
保険治療→約30%
自費治療→約90%
となっています。(Aoyama,2008 ; Creugers,1994 ; Scurria,1998)
インプラント
チタン合金製のインプラント体を歯槽骨(歯を支える骨)・顎骨に埋め込み、
歯のパーツをねじ止めして噛めるようにする治療方法です。
特に中間欠損(欠損部分の両隣に歯がある場合のこと)の場合は、
両隣の歯への負担軽減と削る量が減らせることからインプラント治療が第一選択とされています。
しかし、外科処置を伴うこと、インプラント治療を行ったときは問題がなくても
基礎疾患や全身疾患の悪化により状態が悪くなること、
インプラント周囲炎の発生なども将来的に生じる可能性があります。
インプラント(口腔外科)
10年生存率は
自費治療→約90%
となっています。(Pjetursson,2012)
ちなみに単独のかぶせ物(クラウン)の生存率は
保険治療→約55%
自費治療→約95%
となっています。(Leempoel,1995; Walton,1999)
かみ合わせや歯並びはみなさん違います。
強く負担がかかる部位は記載したデータの数字を下回るかもしれません。
治療が必要にならないよう、歯を失わない予防方法を実践することがもっとも大切です。
また、歯を失ってしまいこれから治療する必要がある人は、
この記事を参考にしていただき
ご自身にとって最良の治療方法を選択するための参考となれば幸いです。
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