保険適応のCAD/CAM冠って取れやすいの?
投稿日:2022年1月26日
カテゴリ:院長ブログ
こんにちは、巣鴨S歯科矯正歯科です。
先日、他院にて製作してもらったかぶせものが何回治療してもらってもすぐ外れてしまう、
とお悩みの患者様が来院されました。
いわゆる、保険適応のCAD/CAM冠の脱離、です。
幸いにも私の臨床ケースでは、いまのところ保険適応のCAD/CAM冠の脱離を経験したことはまだありません。
(CAD/CAM冠は脱離しやすい、はずれやすいとわかっているので、かなり慎重に治療しているからでしょうか・・・)
研究論文データを例にあげると、
・CAD/CAM冠を装着後1年8ヶ月で脱離が24.5%(末瀬一彦 CAD/CAM 冠装着に関する調査研究.日補綴会誌 8・125 回特別号 2016:254)
・ジルコニアオールセラミッククラウンの脱離が5年で4.7%、メタルボンドクラウンが5年で0.6% (Sailer I, All-ceramic or metal-ceramic toothsupported fixed dental prostheses (FPDs)? A systematic review of the survival and complication rates. Part I: Single crowns (SCs). Dent Mater 2015; 31: 603–623.)
あくまで研究論文のデータの話だけですが、臨床実感よりはCAD/CAM冠の脱離の数字が大きすぎます。。。
私が思う、CAD/CAM冠が脱離しやすい原因を一言で説明すると、
「接着操作が難しい」
に尽きると思います。(もちろん、形の整え方や型取りも大変重要です)
以前、学会の講演で拝聴した研究内容のお話です。
CAD/CAM冠は強化型のレジン、いわゆるプラスチックですから、吸水してしまうんです。
水分はセメントの接着を低下させます。
かぶせものはセメントで土台にくっつける前に、口腔内で試適して適合具合を確認するのですが、
CAD/CAM冠も一緒で必ず口腔内で試適します。
CAD/CAM冠を試適したその時点で材料自体が吸水してしまうそうで、
→セメントの物性が100%引き出せなくなる
結論的には、そもそもの話、セメントで接着させる際にしっかりくっついてないという話だとか。。。
白いかぶせもので治療を行う際は、いろいろな情報を収集していただき、
ご自身のかみ合わせや歯の状態を考慮した上で、
保険診療のCAD/CAM冠で行うのか、銀歯で治療するのか
自由診療でセラミックスクラウンで行うのか、ゴールド材料を選択するのか
を決定していただければと思います。
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