出っ歯、ガタガタ、難しい治療も可能にする!インプラントアンカーとはどういう装置?
投稿日:2022年5月2日
カテゴリ:矯正ブログ
前回「【口ゴボ】は出っ歯?正式名称は?どういう状態?治せる?」のブログ(https://www.sugamo-s-shika.com/r3xqow/)で登場しました「インプラントアンカー」について詳しくご説明します。
インプラントアンカーは口ゴボの方だけでなく、出っ歯、ガタガタ、反対の噛み合わせ、部分矯正などあらゆる矯正治療において使う可能性のある装置です。
検査診断によって適応を判断しますので、全員が必ず適応になるとは限りません。
しかし、インプラントアンカーの使い方次第で、スムーズにきれいな仕上がりの治療が可能になりました。
更には、インプラントアンカーの登場で矯正歯科界でそれまで難しいとされていた治療、例えば…
歯の移植をしなくて済んだり、
顎を切る手術をしなくてもよくなったり、
難しいとされている奥歯を後ろに動かすことが可能になったり、
そのままではかぶせ物を出来ないほど倒れてしまっている奥歯を起こし上げたり、
笑った時にぐわっと歯茎が見えてしまうガミースマイルを改善したり、
インプラントアンカーの使い方次第で多くの治療が可能になり、矯正治療や歯の治療そのものの選択肢が増えました。
インプラントアンカーはチタン製のネジです。
サイズは様々直径1.4㎜~1.8㎜程度、長さは4~8㎜程度です。
(私がよく選択するするのは直径1.6㎜長さ6㎜程度のものが多いです。)
ドライバーで直接歯茎に打ちます。
打つ場所は、治療方針によって力の向きや大きさを考え有利に働く位置を選択します。
処置としては、
表面麻酔をして、麻酔の注射をして、位置を確認し医療用ドライバーでインプラントアンカーを打っていきます。
ここまで聞くと何とも怖そうな感じがしますが、侵襲の少ない装置とされています。
例えば、麻酔ですが、麻酔は侵襲の大きい処置には痛みを抑えるために多く使用することもあります。矯正治療のために小臼歯と言われる歯を抜く際には、歯1本に対して麻酔の1.8mlカートリッジ1本程度使用しますが、インプラントアンカー1本打つのに対して1/8本程度の麻酔で効いてしまうくらい侵襲の少ない装置です。
そして、ゆっくりゆっくりドライバーを回してインプラントアンカーを打っていきます。
骨は摩擦に弱い組織なのでゆっくりドライバーを回して、痛みも出づらいように注意深く打っていきます。
もし、インプラントアンカーを使わなかったら、いくつかの治療方針は成り立たなくなりますし、
出っ歯で前歯を下げる際にはヘッドギアを使用します。
頭に帽子型の装置をかぶり、その先から出ているフックを歯についている装置に引っ掛けて、奥歯がつられて前に行かないように力を掛けます。
海外の映画などで子どもがヘッドギアをしているシーンを見たりすることがありますが、大人でもヘッドギアを使っていただかなければならなくなります。
昔はヘッドギアを当然のように使っていましたが…インプラントアンカーを選択できる今では、ヘッドギアを大人の方にお願いするのは現実的ではないかと思います。
インプラントアンカーは厚生労働省より医療用目的の使用の認可がの下りたのが10年ほど前の装置ですので、まだまだご存じない方は多いですが、今や矯正歯科にはなくてはならない装置となりました。
当院では、初診相談の際に拝見し、インプラントアンカーの適応の可能性がある患者さんには実物をお見せして事前にご説明させていただいております。
矯正治療に関するお悩み。ご不明点、ご相談があれば是非お越しください。
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