上顎前歯4本の見た目をフルジルコニアクラウンで改善した症例
上顎前歯4本の見た目をフルジルコニアクラウンで改善した症例
上の前歯の見た目が気になることを主訴に来院された患者様です。
- 右上1は失活歯(すでに神経の治療を行なっている歯)
- 右上2、左上1、左上2は生活歯(神経が生きている歯)
前歯に負担がかかりやすい咬み合わせ患者様の口腔内を診査させていただき、上記の事項を考慮すると治療計画は2パターン考えられました。
治療計画1
右上1:被せ物の再治療
右上2/左上1/左上2:ダイレクトボンディング
【メリット】生活歯の歯質削除量が減らせる。治療費が安くなる。
【デメリット】経年劣化による脱離や着色が起きやすく再治療の可能性が高い。
治療計画2
4前歯とも被せ物(歯冠補綴物)による治療
【メリット】経年劣化による脱離や着色が起きにくい。隣り合う歯をまとめて治療できるため最終的な仕上がりが綺麗に製作できる。
【デメリット】生活歯の歯質削除量が多くなり、知覚過敏などの神経症状が出る可能性が高くなる。治療費が高くなる。
患者様と相談させていただき、
- 審美性を重視すること
- 今後再治療が必要になる回数をなるべく減らしたい
とのご希望でしたので、治療計画2にて行うこととしました。
プロビジョナルクラウンへの置換
プロビジョナルクラウンを装着し、患者様に歯肉の色が気になるかを確認しました。歯根部の変色した歯質の色が歯肉から透けて黒っぽく見えています。色を改善するには、歯肉側に深く削り込み被せ物を装着し見た目をごまかしたり、メタルコアを除去してホワイトニングする等の治療の追加が必要となります。患者様は歯肉の暗さは気にならないとのことで、現状のまま治療を進めることとしました。
仮歯による経過観察
知覚過敏などの神経症状が出ていないこと、発音や咬み合わせ等に問題がなく普段の生活が送れていることを確認できたため、補綴処置に移ります。
通法に従い印象採得、咬合採得を行い最終補綴物を歯科技工士に製作していただきます。
最終補綴物の完成
歯科技工士に製作いただいた最終補綴物(フルジルコニアクラウン)です。
フルジルコニアクラウンの装着・治療完了
完成した技工物を口腔内に試適し、審美性に問題がないことを確認しました。その後、レジンセメントにて装着後、咬み合わせの調整を行い治療が終了しました。患者様には大変満足いただきました。
年齢/性別 | 60代 女性 |
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治療期間 | 3ヵ月 |
治療回数 | 6回 |
治療費 | 仮歯 5,500円/歯(本症例では4歯分) 精密印象採得 8,800円/歯(本症例では支台歯4歯分) フルジルコニアクラウン(ステイニングあり) 141,000円/歯(本症例では4歯分) 合計 621,200円(税込) |
リスクなど | ・被せ物に強い衝撃が加わると破損する可能性があります。 ・知覚過敏や疼痛を生じる可能性があります。 |