フルジルコニアクラウンブリッジの症例③
フルジルコニアクラウンブリッジの症例
欠損部分をフルジルコニアクラウン、フルジルコニアクラウンブリッジで治療した症例をご紹介します。
初診時の口腔内
歯がない部分の治療を相談したいとの主訴で来院された患者さまです。
右下6欠損部の治療方針について
患者さまは基礎疾患をお持ちであり、インプラント治療に不安を感じるとのことでした。歯質削除量は多くなりますが、ブリッジでの治療を行うことをご希望されました。また素材の種類としては歯質削除量が減らせるフルジルコニアでの治療をご選択されました。
各治療法のメリット・デメリット
▼義歯・ブリッジ・インプラントのメリット・デメリットは下記の通りです。
名称 | メリット | デメリット |
---|---|---|
義歯 | ・土台の歯を削る量が少ない ・着脱可能なため清掃性が高い ・破損したら修理や再製作が容易 |
・取り外しが不便 ・食事中に外れてしまう場合がある ・食渣がたまり、歯周病になりやすい ・デザインによっては審美性が悪い |
ブリッジ | ・固定式のため自分の歯と同じように使用可能 ・審美性が高い |
・土台の歯を削る量が多い ・破損したら再製作が必要な場合あり ・セルフケアが困難 |
インプラント | ・固定式のため自分の歯と同じように使用可能 ・審美性が高い ・両隣の歯を削らなくて済む |
・パーツが破損した場合は修理が必要 ・歯槽骨への介入が必要 ・費用が高い |
その他のむし歯について
患者さまの口腔内にはむし歯の治療をしなければならない部位が多数存在しました。ご自宅が遠方であるため、小さなむし歯はご自宅近くの歯科医院にて治療をご希望され、また、神経の治療が必要な部位は歯内療法専門医による治療をご希望されたため、他院にて神経の治療が終了後に当院にて補綴処置を行いました(左上5、左下4、左下3)。
むし歯治療・根管治療後に支台形成
当初の計画通り、他院でのむし歯治療、根管治療後に当院にて支台歯形成を行いました。右下7、右下5は生活歯(神経が生きている歯)のため、歯質削除量は最小限にしています。
仮歯の装着
右下7は歯質削除量を減らし、かつ審美性にあまり影響が出ない部分であることから、歯肉縁上マージン(補綴物の境界を歯肉にピッタリ合わせず見える位置に設定すること)にしています。
完成した補綴物
仮歯で3ヵ月間経過観察を行いました。知覚過敏などの神経症状が出ていないこと、咬み合わせ等に問題がなく普段の生活が送れていることを確認ができたため、補綴処置に移ります。通法に従い印象採得、咬合採得を行い最終補綴物を歯科技工士に製作していただきます。
治療完了
完成した補綴物の適合、咬み合わせに問題がないため、合着(セメントで外れないように装着すること)して治療終了です。
治療前~治療完了までの比較
【術前】
【支台歯形成】
【仮歯】
【術後】
年齢/性別 | 70代 男性 |
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治療期間 | 4ヵ月 |
治療回数 | 5回 |
治療費 | 自費 仮歯 5,500円/歯(本症例では6歯分) 自費 精密印象採得 8,800円/歯(本症例では支台歯6歯分) 自費 フルジルコニアクラウン(ステイニングあり)141,000円/歯(本症例では6歯分) |
リスクなど | ・被せ物に強い衝撃が加わると破損する可能性があります。 ・知覚過敏や疼痛を生じる可能性があります。 |