ダイレクトボンディングによる上顎前歯の審美治療症例
ダイレクトボンディングによる上顎前歯の審美治療症例
▼ダイレクトボンディングによって、上顎前歯の見た目を改善した症例をご紹介致します。
前歯の見た目が気になるとの主訴で来院された患者さまです。
上顎両側側切歯(右上2、左上2)に形態不良のコンポジットレジン充填がありました。 矮小歯という生まれつき歯のサイズが小さく細長い歯を、コンポジットレジンにて治療したとのことでした。
本ケースの場合、セラミックス治療とダイレクトボンディング治療が治療法の選択肢として考えられました。 患者さまと相談の上、なるべく歯を削りたくないというご希望により、ダイレクトボンディング治療を行う計画を立てました。
ダイレクトボンディングの特徴について
- 強化型プラスチックを歯の表面に直接盛り足す治療法
- 虫歯治療後の詰め物、歯の色や形態、歯並びの乱れなどを改善する場合にも応用可能
メリット
- ダイレクトボンディングは、歯型採りを必要とする治療法よりも歯を削る量を少なくすることが可能
- その日のうちに治療が完了、歯型採りをする必要なし(形態再現が困難な場合は型取りをする必要あり)
- 色調や透明感の再現性に優れているため自然な仕上がり
- 再治療が容易
- 劣化したレジンを削り、新しいレジンを盛り足すことで審美性や機能性を改善可能
デメリット
- 咬み合わせによっては取れやすい
- ダイレクトボンディングは、噛んだときに強く当たる部分には不向き
- 劣化、着色が生じる可能性あり(特に前歯に適応した場合)
- 過剰な負担がかかった場合、脱離の可能性があり
- セラミックの詰め物や被せ物と比較すると、着色、変色や摩耗が起こりやすい
ダイレクトボンディング治療のプランニングです。治療部位のご自身の健康な歯の外形線が写真点線となります。
- プラン①→切縁部分を削り、審美性を高める
- プラン②→切縁部分を削らずに、可能な範囲で審美性を回復させる
が考えられました。わかりにくいと思いますので、次が実際に患者様と相談した内容です。
簡易的な合成写真ですが、 違いがわかりますでしょうか。
中切歯と犬歯を結んだ線よりも側切歯の切縁は短い方がバランスが取れて審美性が高くなります。 特に右側側切歯の審美性がかなり違ってくると思います。 仕上がりについて、患者さまは左の写真を気に入っていましたが、なるべく削らない方針を重要視するため、右の写真「プラン②削らない場合」を選択いただきました。
術前の色合わせ(シェードテイキング)
術前の色合わせ(シェードテイキング)です。 人間の目は色の見え方がその日の体調によって違ったりするため、本ケースのような難しい症例では、必ず写真撮影した後、パソコン上で確認するようにして います。
シェードガイドと呼ばれる色見本をいっしょに撮影し、各シェードガイドを細かくトリミングして治療部位周囲にペーストして使用するコンポジットレジンの色を決定します。
ダイレクトボンディングの実施
【術前】
【術中】
健康な歯質は削らないようにして、不適合な コンポジットレジンだけを注意深く取り除いた後の写真です。
【術後】
治療が終わってすぐの状態は、歯の水分が失われており、周りの歯の色味は少し白く見えます。 後日、経過観察でもう一度歯の色味を確認してもらいましたが、問題はなく、患者さまには大変満足いただきました。
年齢/性別 | 20代 女性 |
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治療期間 | 2日 |
治療回数 | 2回(カウンセリング1回、治療1回) |
治療費 | 診断料 5,500円(税込) ダイレクトボンディング 本ケースは1歯22,000円(税込) 【※ダイレクトボンディング 16,500円~33,000円 難易度と相談の上、金額が変動します。】 |
リスクなど | ・経年劣化により脱離、変色する可能性があります。 |